グローバル・エリート日記

時価総額世界トップ20に入る、グローバル事業会社のリージョナル・ヘッドクォーターに勤める外資系エグゼクティブ・サラリーマンの日記。シンガポール在住。グローバルキャリア、グローバルビジネス論、マーケティング・ブランディング・広告。

シンガポールに住む日本人のヒエラルキー 1: グローバル・エグゼクティブ・ボード

世界中の金持ちが集まり、名だたるグローバル・カンパニーのヘッドクオーターが所在する国、シンガポール。沈み行く日本とは違い、国には活気が満ち溢れています。世界一物価が高い国としても有名なシンガポール。この国に住んでいる日本人は、一体どういう人たちなのでしょうか。まずは、男性から見ていきます。

アンドリュー的、ヒエラルキーは下記です。基準は、単純に資産・生活水準です。仕事のやりがいだとかそういうものはとりあえず無視しています。

  1. 外資系企業のExecutive Board
  2. 起業家、投資家
  3. ヘッジファンドのトレーダー / アナリスト
  4. 外資系企業の駐在員 (Not Executive Board)
  5. 外資系企業のローカル社員 (Not Executive Board)
  6. 日系企業の駐在員
  7. 日系企業現地採用のサラリーマン・その他

1と2は、甲乙つけがたいですね。とりあえず、1からみていきましょう。

皆さん、グローバル・カンパニーのExecutiveの暮らしぶりって知っていますか?よく、アメリカの雇われCEOの年収は数十億、とか聞きますよね。東洋経済On lineの記事でも参照してみてください。シンガポールは、大体アジアのヘッドクオーターという位置づけが多いので、いわば、グローバルCEOとまではいきませんが、それでもアジア地域の責任者 (いわゆるRegional CEO)ともなれば、報酬も桁違いです。このあたりになると、キャッシュによるサラリーだけでなく、様々なベネフィットがあります。

  • キャッシュによるサラリー: これだけでも、間違いなく数億はいくでしょう。
  • ストックオプション: このレベルになると、キャッシュより会社の業績と連動するストップオプションの方が大きな割合を占めます。イメージ、キャッシュ3-4割、ストックオプション6-7割。
  • 家賃手当て: Executive boardになると、アメリカやヨーロッパ本社役員という位置づけになるので、そこからのExpat (駐在)という扱いになることが多いです。諸々すばらしい手当てがつき、家賃補助だけで毎月300-400万円くらいもらえると聞いています。
  • プライベートジェット: 当然、移動は会社が用意するプライベートジェット。
  • 子供養育費: インターに入れるのは当たり前。シンガポールのインターだと、一人につき年間400-500万はかかると言われています。

このクラスは、しょっちゅう各アジア地域の国を周り、またグローバル・カンファレンスなどでアメリカ・ヨーロッパに行く頻度も高い。年の半分はシンガポールにいないのではないでしょうか。

世界に何万人・何十万人といる社員のトップですから、その地位に駆け上がるのは、至難の業です。しかも、政界・財界のネットワークもグローバル規模に発展。最近は、スタートアップでExitするのもそう難しくはなくなってきているので、GoogleやFacebook, Uberなどグローバル級のメガスタートアップを作る確率と同じくらい難しいのでは、と個人的には思っています。しかも、日本人でグローバル・カンパニーのRegionトップにつける例は、ほとんど聞いたことがありません。私が知っている範囲だと、P&Gの桐山さんくらいでしょうか。こういう日本人がもっともっと増えてほしいですけどね・・・。

次回から、それぞれのヒエラルキーを詳しく解説していきます。