グローバル・エリート日記

時価総額世界トップ20に入る、グローバル事業会社のリージョナル・ヘッドクォーターに勤める外資系エグゼクティブ・サラリーマンの日記。シンガポール在住。グローバルキャリア、グローバルビジネス論、マーケティング・ブランディング・広告。

年功序列給料で世界的競争力を保てない日本企業

こんな記事がありました。

www.nikkei.com

シンガポールという、グローバル・カンパニーのメッカで働いている私の肌感覚にぴったり合います。課長後期(日本企業の場合30代後半?)から、部長になるにかけて、日本企業の給与は、大体の他の先進国のそれより、下がってしまうということです。

いわずもがな理由は、年功序列に基づく、みんな平等賃金デザインです。こういうことをしていると、優秀でCompetitiveなマインドセットを持つ人材は、どんどん日本企業に見切りをつけてしまいます。

ちなみにですが、これは外資系企業で働く日本人にも影響がありまして。大体、外資系企業の各ローカルスタッフの給与は、その国のその他の企業の賃金をベンチマークして算出されるので、同じ企業で働いて同じような仕事をしていながら、日本で働いているか、シンガポールで働いているか、アメリカで働いているか、でシニアにつれて給料に大きな差が出てしまいます。私が働いている会社でもそうです。ですので、「日本人は高賃金♪」とか勘違いしている日本人が散見されますが、全然そんなことないんですよ。日本からのExpatとしてシンガポールに来ている社員も、いわゆるDirector職くらいになると、ローカル社員に比べて全然給料安いです。しかも、シンガポールは税金インパクトもありますからね。手取り給与でいったら、同じ役職なのに、ローカルか日本からのExpatかで、下手したら2倍くらい差が出ます。

日本国内の企業、人材レベルのCompetitivenessが低いから、こういうことになってしまうのですね。あー、哀れな日本人・・。本当にばしっと稼ぎたいなら、外資の日本支社なんかで天狗になってても駄目ですね。GHQ, RHQがある国に飛び出して勝負しないと。まあ、そんな日本人ほとんどいないのですけどね。