シンガポールに住む日本人のヒエラルキー 5: 外資系企業のローカル社員 (Not Executive Board)
本シリーズ、今回は5回目、外資系企業のローカル社員です。
どういった日本人のセグメントが存在しているかというと、ほとんどは、外資系投資銀行か外資系メーカー・コングロマリット・ITの社員ですね。外資系投資銀行でも、多く見受けられるのは、バックおよびミドルオフィスの社員です。前回の記事でも書いたとおり、外資系企業においては、よほど特殊な能力や傑出したパフォーマンスがない限り、日本人がバリバリとシンガポールで働ける意義がありません。よって、いわゆるフロントで働ける外銀マンはほとんど見受けれられませんね。
もちろん、日経企業に比べたら、外資のローカル社員でも給料は良いですよ。ただ、外銀のミドル・バックオフィスでは、ベースサラリー以外のサポートがない。リビング・コストが世界一高いと言われているシンガポールでは、手当てなしで生きていくということは、実質的な生活水準はそこまで高くないということを意味します。事実、20代・30代前半の独身のローカル社員は、高額な家賃を払えないのでルームシェアしている人が大半です。かわいそうに。まあ、ぶっちゃけ、外銀のミドル・バックオフィスの仕事は、ほとんどクリエイティビティのない、事務処理能力が高い人間だったら誰にでも出来る仕事ですからね。
トリッキーなのは、いわゆるバリバリフロントで働く外資ローカル社員。このセグメントの日本人は多くいませんが、いなくはありません。そして、待遇は悪くないです。そもそも、シンガポールの給与水準は、当然ですが、日本より高いです。なぜなら、リビングコストの高さ、人材のコンペティティブネス(シンガポールでは、学歴によってビザ許可の時間が変わるくらいシビアにシンガポールで働ける人材を選んでいます)を勘案しているからです。ですので、家賃サポートなどが出なくても、そもそものベースサラリーの高さが補ってくれます。
個人的には、外資のローカル採用だが、フロントでバリバリと働ける仕事があったら、ありかなって思いますよ。仕事の経験値としても申し分ないだろうし、待遇もそこまで悪くないですしね。